インターナショナルスクールとは何か?
インターナショナルスクール(いわゆる「インター」)は、そもそも日本に長期・短期滞在する外国人児童を対象とする教育施設(幼稚園・小学校・中学校・高校)として東京ほか日本各地に設立され、発展してきてきました。
そのため、本来日本のパスポートしかない日本人児童の入学は想定されていません。
ただ、日本でも国際標準の教育が受けられるほか、国際的な教養を身につけ、多国籍文化を体験できることから近年大変人気が高まっています。
インターナショナルスクールは、学校教育法に定める学校(1条校)ではなく、各種学校に分類されていますので、国からの助成金もなく、そのため日本の公立、私立と比べると学費が高いですが、近年は比較的学費の安いインターナショナルスクールも出てきました(弊社にお問い合わせください)。
前述の通り、インターナショナルスクールは、本来日本のパスポートしかない日本人児童の入学は想定されていませんが、日本人が入学できるスクールも増え、また、日本の学校(1条校)としての要件を満たしながら、英語による教育を行うイマージョン校 (幕張インターナショナルスクール等)も増えてきました。
インターナショナル「プリスクール」とは何か?
プリスクール(インターナショナル幼稚園、保育園)は、一般にすべて英語で保育をする幼稚園、保育園であり、小学校・中学校・高校のあるインターナショナルスクールに併設されている場合と、プリスクールだけで成り立っているスクールがあります。
前者のインターナショナルスクールに併設されているプリスクールでは、早いところだと3歳から受験を認める学校もあり、早めに入学させてしまえば18歳くらいまでの英語教育が保証されます。
後者の独立したプリスクールの場合、インターナショナルスクールに入学、進学するための予備校としての側面がありますが、幼児英語教育、国際教育を目的としたプリスクールを経て日本の公立・私立小学校に進学するご家庭も少なからずあります(ただし、10歳の臨界期までに英語が一気に抜けてしまう恐れがあります)。
やはり日本の公立・私立は学費が無料もしくは比較的安く、ご家庭の教育に費やす予算が、どのような進路に向かうかの一つの大きな判断材料になります。
基本的には、プリスクールは、インターナショナルスクールと同じように、原則として文部科学省に認可された認可幼稚園でも厚生労働省に認可された認可保育所(園)でもありませんので費用が高くつきますが、中には、認可外保育園として都や区の助成金を受け取ることができる学校もあります(詳しくは弊社にご相談いただければ案内できます)。
インターナショナルスクールの学校認可と卒業資格について
前述の通り、インターナショナルスクールは日本の学校教育法に定める学校(1条校)ではないため、小中学校において義務教育を履行していないと地方自治体から認定される場合があります。
また、インターナショナルスクールによってはインターナショナルスクールの高校を卒業しても大検を受けないと、日本の大学受験資格を得られない場合もあります。
しかし、最近では日本の中学・高校・大学受験において、インターナショナルスクール卒業生を帰国生枠に含めて受験させてくれる学校が増えています(詳しくは弊社にお問い合わせください)。
海外帰国子女のように、親の海外転勤等で海外での教育を受けてきた子どももおり、その意味では、日本にいながら日本の1条校でない学校に通わせることが根本的に悪いということはありません。
いろいろなインターナショナルスクールがあり、コロナでしばらく休止していた学校説明会やスクールツアーも再開しつつありますので、まずは自分の目でキャンパスに行き、学校の雰囲気を理解することが重要ですが、インターナショナルスクール選びをするにあたっては、下記のような国際的な評価団体の評価を受けているかどうかも参考になります。
CIS | (Council of International Schools) |
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WASC | (Western Association of Schools and Colleges) |
ECIS | (European Council of International Schools) |
ACSI | (Association of Christian Schools International) |
また、インターナショナルスクールにおける国際的な卒業資格としては、国際バカロレア資格(International Baccalaureate = IB)等があり、同プログラムに参加しているスクールであれば卒業資格(diploma /一定の成績で入学試験免除の大学もある)を得ることが出来ます。
ただし、IBについてはすべての子どもが向いているということもありませんので、弊社にご相談の上、IB Diplomaプログラムの履修をめざすかご判断いただいてもよいかと思います。
インターナショナルプリスクールは義務教育ではないので、教育の義務違反のような問題は発生しませんが、文部科学省の定める認定幼稚園や厚生労働省の定める認可保育園ではありませんので保育費負担軽減措置などは受けられません。
ただし、法で定める認定幼稚園、認可保育園及び認可外保育施設が英語教育を行っている場合もあり、この場合には自治体により、税金による補助を受けることが可能です(詳しくは弊社にご相談ください)。
インターナショナルスクールの学費、費用
各インターナショナルスクールによって違いがあるものの、一般的には学費だけで年間200万円から300万円が目安です(100万円程度の学校もありますので、弊社に問い合わせください)。
インターナショナルスクールは秋休み、春休み、冬休み、夏休み等があり、特に冬休みと夏休みがとても長いため、その間サマースクールや冬休みの旅行等を含めると総費用は400万円くらいは見ておいたほうがいいかもしれません。
また、インフレによって年々各学校の学費は高くなっています。
インターナショナルプリスクールにおいても、年間150万円から250万円くらいは費用として見ておいたほうがいいかと思われます。
日本人がインターナショナルスクールに進学を希望する背景には、帰国児童等の教育の他に、欧米の教育文化や国際的英語力を求めていることが挙げられます。一方で、日本の学校教育に対する不信があるのかもしれません。
弊社では、日本の公立や私立教育を批判するということはございませんが、6歳から9歳までの一番言語習得能力が高い時期に英語教育に浸からせてあげることが重要だと考えており、そのためにインターナショナルスクールへの進学という選択肢を世の中に広めることをミッションとしています。
インターナショナルスクールの入学条件
各インターナショナルスクールには、それぞれ異なる入学条件があり、日本人パスポートしか持っていない子供はそもそも受験資格のない学校もあります。
日本国籍者を受け入れている学校であっても、海外からの帰国子女の受験に付き、海外在住歴3年(場合によっては5年)未満は不可など、インターナショナルスクールによっては条件が厳しくなっています。
日本人には日本の公立・市立小学校という多くの選択肢がありますので、これは致し方無いことでもあります。
上記CIS等の認定をインターナショナルスクールが受ける際にも、日本パスポート保持者の割合等も考慮されるようですので、学校としても全ての日本人受験者を合格させたくてもできないという事情があります。
ですので、日本のパスポートしかない児童のご家族は、まず、インターナショナルスクールは本来外国人のための学校であって、日本人のための学校ではないということを念頭に置く必要があります。
逆に日本以外のパスポートもお持ちのハーフ/ミックス/ダブルの生徒さんにとっては比較的インターナショナルスクールの門戸は広く開かれていると言えるでしょう。
また、新設のインターナショナルスクールでは、日本人でも広く受験を認めているところもあります。
入学する年齢にもよりますが、5歳以上の入学の際にはある程度の生徒の英語力が必要で、1対1のオンライン面接または、オンキャンパスでの英語面接によって生徒の英語力及び行動観察がなされます。
これに対して、4歳以下の子供の受験には、それほど英語力は要求されず、子供の性格や行動観察が重視されると思われます。
弊社の経験から行くと、どちらかといえば保護者の英語力及び学校への理解度と熱意が重要です。親が学校との連絡やお便りなどを正しく理解できないと困るからです。ただし、日本人の保護者に優しい新設校も増えてきており、保護者にお子様と一緒に英語を学んでいこうという意欲があれば、あまり気にする必要がないと思います。
インターナショナルスクール進学上の課題・留意点
日本国籍の、日本のパスポートしか持たない子供がインターナショナルスクールに進学する場合、制度的には、すでに述べた義務教育制度を不履行の問題や日本の大学受験資格の問題があります(ただし、最近では、文部科学省は一部のインターナショナルスクール卒業者の日本の大学受験資格を認めており、それ以外のインターナショナルスクールでも日本の大学側が認めれば入学できるケースが増えています)。
また、セミリンガルやダブルリミテッドになる危険性の問題もあります。
すなわち、学習や生活に必要な英語力や日本語力がなかなか身につかない問題です。
英語力も日本語力もどちらも中途半端で、西洋や日本の文化についての理解や、生活態度も中途半端になってしまうという問題です。これらは教育を学校に丸投げしてしまっており、家庭での教育を怠っている家庭で起こりやすい問題と言われています。
特に、よくあるのが日本語の読み書きができなくなってしまうという問題です。
両親の両方又は一方が日本人である場合、日本語を話したり聞いたりすることに関しては、通常問題はない場合が多いですが、将来日本に住んで大学進学や就職を考えた時、あるいは、そもそも日本人であるというアイデンティティを子供に持たせたい場合、日本語が読めない、書けないということは、様々な場面でハンディキャップになることは明らかです。
英語しかできない人材であれば、欧米やインド、東南アジア等いくらでもいますので、レッドオーシャンに身を置くことになってしまいます。日本語と英語のReading/Writing/Listening/Speakingの4つがしっかりとできる人材になって初めてバイリンガルの国際人材としての真価が発揮できるのです。
英語力、日本語力については、チャレンジや公文その他の教材をやらせたり、家庭教師をつけたり、場合によっては学校の提供するESL授業や日本語授業で適切に補い、日本語や英語の読み書きが足りないと思えば、家庭や塾で積極的に学ばせるのが重要です。
また、インターナショナルプリスクールからインターナショナルスクール(小学校・中学校・高校)に進学せず、日本の公立小学校や、私立小学校に進学する場合は、時間の経過と共に急速に英語力は衰えていってしまいます。10歳までの臨界期は言語に触れていないと抜けるスピードも早く、これは帰国子女の幼児が、帰国と共に急速に英語を忘れていくのに似ており、家庭における対策が必須です(どのような対策が必要かはお問い合わせください)。
インターナショナルプリスクールでは通常1日8時間から10時間の英語に触れる時間があるのですが、日本の公立や私立の小学校では、場合によっては全く英語に触れる時間がないということが通常です。お受験で人気のある日本の有名な私立小学校の英語の授業時間は1週間で3,4コマ程度です。また周りに英語を話す同級生もおりません。残念ながらこれでは「英語や多文化に浸る」という経験にはならないと思います。6歳から9歳のフル英語教育が最も重要と弊社では考えております。10歳までには英語力や国際感覚の土台は確立されますので、場合によっては小学校4年生の時点で公立小学校に戻すというのも検討に値します。
プリスクールから、インターナショナルスクールに進学しないのであれば、英語が使える環境を英会話スクールなどで継続的に与える必要があります。
どのような英会話スクールがいいかについては弊社にお気軽にお問い合わせください。