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こんにちは! ISPCの代表です。

昨今はインターネット上で様々なおうち英語のツールやアドバイスが見つかって本当に便利になった反面、情報の取捨選択が難しくなりましたね。

今回は、バイリンガル教育に対する「ダブルリミテッド」の批判や、逆に、脳科学の観点からバイリンガルのメリットを語る研究に対してお話しして、結局、とにかく親子で英語を楽しもうという話をしたいと思っています(内容全部言っちゃいましたね。。笑)。

■いわゆる「ダブルリミテッド」批判は気にしなくてよい

英語教育や日英バイリンガル教育への批判として最近たまに目にするのが「ダブルリミテッド」という言葉です。

どうも、第二言語の習得の過程で、母語も第二言語も両方とも「年相応」のレベルまで達していないケースをダブルリミテッドというようで、こういう記事をバイリンガル教育をしようという親が見ると非常に不安になると思うのですが、リサーチに基づけば、まったく当たらない指摘が多く、気にする必要はないと考えます。

そもそも「年相応」とは何でしょうか。ダブルリミテッドに関する多くの記事を読むと、日本の学習指導要領に基づき、日本の学校にだけ通っており、とくに第二言語の教育を受けていない子供の日本語力を「年相応」とし、それと比べてバイリンガル教育を受けた子供が、日本語について「年相応」ではない。また、アメリカ等、英語圏で教育を受け、日本語の教育を特に受けていない子供の英語力を「年相応」としてそれと比べてバイリンガル教育を受けた子供が、英語について「年相応」ではない。

どの記事も、「ダブルリミテッド」の定義が曖昧であり、確たる学術的な研究論文のサポートもなく、上記の事実をもって「ダブルリミテッド」であるという結論を出しているので、読んでいて呆れたというのが正直な感想です。

記事の中には、日本語教育の擁護派の広告記事のようなものや、バイリンガル教育を批判したいから、ただ叩いているというようなものも見受けられました。

もちろん、子供の言語能力や生い立ち、発育状況は千差万別です。英語と日本語は、文法構造や文字、成り立ち含め大きく違う言語であるのも事実です。

中には残念ながらうまく両言語を習得できないケースもあると思いますし、それをダブルリミテッドとして分類するのは一向にかまいません。

しかし、言語習得の過程や、言語を学習する楽しみ、以下に述べる2つ以上の言語を使用するバイリンガルのメリットを捨象して、日本語を完璧に話せなければ英語の学習を始めてはいけないというようなインターネット上の戯言には、賢明なご家庭はぜひ耳を貸さないようにしていただきたいと思います。

そもそも世界には、スイスやシンガポールのように複数の言語を同時に学びながら大人になる国は多くあります。そのような国の大人の多くがダブルリミテッドなのでしょうか?そんなことはないと思います。

少なくとも、英語を学習することが日本語習得の害になるというようなことはありません、後述の通り楽しんで英語を身につけましょう!

■バイリンガル脳のメリット

ダブルリミテッド批判に対して、バイリンガルの脳に与えるメリットを述べた研究の方が学術論文の引用も多く非常に説得力があります。

マルチリンガルと脳の発達

二言語に接触する年齢は発達脳における言語の神経系をどのように変化させるか

バイリンガル脳の特徴は?

簡単にまとめると、バイリンガルを含めたマルチリンガル(2つ以上の言語を操れる)の脳は、モノリンガル(一つの言語しか操れない)の脳に比較して、ブローカ野(運動性言語中枢)とウェルニッケ野(感覚性言語中枢)という、言語を司る脳の部位が発達するということのようです。

すなわち、子どもが2つ以上の言語を学ぶメリットは大きく、バイリンガルは、電話番号を覚える、指示された手順を覚える、暗算をするなど、情報を一時的に記憶する「ワーキングメモリ」を使う作業を得意とする傾向があるようです(ちなみに私は人の名前や、電話番号とか世界史の人名とかを覚えるのが昔から得意でしたが、関係あるのかは不明です)。

なかでも、バイリンガルの方が、トリリンガル(第3言語の取得)になるのも容易というのはその通りだと思います。私自身、中国語を勉強したことがあるのですが、中国語は文法的には英語に近く、また発音も英語のRの発音等があるのでとっつきやすいと感じましたし、日本語の漢字を知っているので、読み書きに関してはアドバンテージがありました。

ただ、私個人的にはいわゆる昨今の「脳科学」ブームは結構あやしいと思っていて、医学や脳科学の専門家でもない人が、バイリンガルだから脳が発達するということを信じ込むのもダブルリミテッドと同じくらい胡散臭いなぁと思います。

■学術研究や、抽象的な言語学の議論はいったん無視して、英語を身に着ける過程の喜びに注目しよう!

このように、専門家や評論家は、抽象的に色々とバイリンガル教育を批判したり、応援したりしていますが、個々のご家庭の状況や子供の発育にフォーカスすることはありません。

インターネット上に情報が氾濫する現代では、いろいろな情報が入ってきすぎて頭でっかちになってしまいがちですし、結局、バイリンガル教育はやってみないとわからないし、やってみる価値があると思います。

私自身はそういった難しい話はさておき、無視して、各ご家庭は、もっと具体的な英語を身に付ける過程の喜びや楽しみに注目すればいいのではないかと思っています。

卑近な例を考えても、英語を身に着ける喜び楽しみメリットには以下のようなものがあります。

  • バイリンガル教育を通して親も子も英語を学べる
  • 海外のドラマや映画や音楽を楽しめる
  • 海外の情報を得やすくなる
  • 世界中の人とコミュニケーションができる
  • 世界中に人脈が広がる
  • 自己肯定感や自尊心がつく
  • 中学、高校、大学に進学する際に有利になる
  • 就職や昇進の際に有利になり、年収も上がりやすくなる
  • 日本以外の国に移住しやするなる

英語を身に着けるその過程自体の楽しみがある限り、ダブルリミテッド云々、脳科学云々は本当に気にしなくてよいと思います。

楽しいおうち英語のアイデアについても今後ブログ等で発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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